心筋症とは?

心筋症は、心臓の筋肉(心筋)の構造や機能に異常を来す疾患の総称です。心臓のポンプ機能に影響を与え、様々な症状や合併症を引き起こす可能性がある進行性の病気です。原因が特定できない場合を特発性心筋症と呼び、これが一般的に「心筋症」と呼ばれるものです。
※当院で行っていない治療については、適切な専門機関をご紹介します。四ツ橋診療所では、循環器内科専門医である医師が、豊富な経験と専門知識を活かし、心筋症の早期発見・早期治療を行います。
こんな症状はありませんか?
心筋症の症状は、種類や進行度によって異なりますが、主な症状には以下のようなものがあります。
- 息切れや呼吸困難(特に運動時や横になった時)
- 疲れやすさ、倦怠感
- 動悸や不整脈
- むくみ(特に足首やふくらはぎ)
- 胸痛や胸部圧迫感
- めまいや失神
- 食欲不振
- 咳(特に夜間に悪化)
- 運動耐容能の低下
- 浮腫(むくみ) など
心筋症の種類
拡張型心筋症(DCM)
心室(特に左心室)が拡大し、心臓の収縮力が低下します。心不全の主要な原因の1つです。
肥大型心筋症(HCM)
心筋が異常に肥厚し、心室の容積が減少します。若年者の突然死の原因として知られています。
拘束型心筋症(RCM)
心筋が硬くなり、心臓の拡張能力が低下します。比較的まれな型です。
不整脈源性右室心筋症(ARVC)
右心室の心筋が線維脂肪組織に置き換わり、不整脈を引き起こしやすくなります。
心筋症の原因
心筋症の原因は多岐にわたり、しばしば特定が困難です。主な原因には以下のようなものがあります。
- 遺伝的要因:多くの心筋症には遺伝的な要素があります
- ウイルス感染:心筋炎を引き起こし、その後心筋症に発展することがあります
- 自己免疫疾患:体の免疫系が心筋を攻撃することがあります
- 代謝異常:一部の代謝疾患が心筋に影響を与えることがあります
- その他の疾患:高血圧症、冠動脈疾患、弁膜症などが二次的に心筋症を引き起こすことがあります など
心筋症の検査
- 心エコー検査:心臓の構造や機能を評価する最も重要な検査です
- 心電図:心臓の電気的活動を記録し、不整脈や心筋の異常を検出します
- 胸部レントゲン検査:心臓の大きさや肺うっ血の有無を確認します
- 血液検査:心不全のマーカー(BNPなど)や炎症マーカーを測定します など
心筋症の治療
心筋症の治療は種類や重症度によって異なりますが、主に以下の方法があります。
※当院で行っていない治療については、適切な専門機関をご紹介します
薬物療法
- ACE阻害薬やARB:心臓への負担を軽減します
- β遮断薬:心拍数を抑え、心臓の負担を減らします
- 利尿薬:体内の余分な水分を排出し、心臓の負担を軽減します
- 抗不整脈薬:不整脈を管理します など
デバイス治療
- ペースメーカー:徐脈を管理します
- 植込み型除細動器(ICD):致死的不整脈を予防します
- 心臓再同期療法(CRT):心臓の収縮を同期させ、ポンプ機能を改善します など
手術療法
- 心筋切除術:肥大型心筋症の一部の症例で行います
- 心臓移植:重症例で他の治療方法が効果がない場合に検討されます など
生活習慣の改善
- 適度な運動
- 塩分制限
- 禁煙・節酒 など