脂質異常症とは?

脂質異常症は、血液中の脂質(主にコレステロールと中性脂肪)のバランスが崩れた状態を指す生活習慣病です。具体的には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が高くなる、あるいはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が低くなる状態を指します。
この状態が続くと、動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中などの重大な健康問題を引き起こす可能性が高まります。大阪市西区 四ツ橋・西大橋・心斎橋にある四ツ橋診療所では、脂質異常症の早期発見と適切な管理に力を入れ、患者様の長期的な健康維持をサポートしています。
初期にはほとんど自覚症状がありません
脂質異常症は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため「サイレントキラー」とも呼ばれ、気づかないうちに進行していることがあります。
しかし長期間放置すると動脈硬化を進行させ、以下のような重大な健康問題を引き起こす可能性があります。
- 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患
- 脳梗塞や脳出血などの脳卒中
- 末梢動脈疾患 など
これらの合併症は生命に関わる可能性があるため、定期的な健康診断で血液検査を受け、早期発見・早期治療することが重要です。
脂質異常症の合併症
動脈硬化
血管壁にコレステロールが蓄積し、血管が硬くなって狭くなります。これにより血液の流れが悪くなり、様々な臓器に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。
冠動脈疾患
心臓を栄養する冠動脈が動脈硬化により狭くなると、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。狭心症では胸痛や圧迫感が、心筋梗塞では激しい胸痛や呼吸困難が現れます。
脳卒中
脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管が破れる脳出血が起こる可能性が高まります。突然の麻痺、言語障害、視力障害などの症状が現れます。
末梢動脈疾患
手足の血管が狭くなり、歩行時の痛みや冷感、痺れなどが生じます。重症化すると壊疽を引き起こす可能性もあります。
脂質異常症の診断基準
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、以下の値を超える場合に脂質異常症と診断されます。
- LDLコレステロール:140mg/dL以上
- HDLコレステロール:40mg/dL未満
- 中性脂肪:150mg/dL以上
ただし、他のリスク因子(高血圧、糖尿病、喫煙など)がある場合は、より厳しい基準が適用されることがあります。
脂質異常症の治療
食事療法

飽和脂肪酸や糖質の摂取を控え、野菜や魚を中心とした食事を心がけます。特にオメガ3脂肪酸を含む青魚や、食物繊維が豊富な野菜の摂取が推奨されます。
運動療法
適度な有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)を定期的に行うことで、HDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らす効果があります。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合、スタチンなどのコレステロール低下薬や、フィブラート系薬剤などの中性脂肪低下薬を用います。