COPD・肺気腫とは?

COPDとは、「慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)」の略で、肺の空気の通り道が狭くなり、息を吐き出しにくくなる病気です。従来は「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気の総称となります。
大阪市西区 四ツ橋・西大橋・心斎橋にある四ツ橋診療所では、COPDの早期発見と適切な治療を行い、皆様の呼吸機能の維持・改善をサポートいたします。
こんな症状はありませんか?
COPDでは、以下のような症状が現れることがあります。
- 息切れ(特に階段の上り下りや坂道で感じる)
- 長引く咳や痰
- ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)
- 日常生活での活動制限
- 疲れやすさ
- 呼吸時の胸の圧迫感
- 風邪が治りにくい
- 軽い運動でも息切れする など
特に息切れは徐々に悪化することが多く、初期では「年齢のせい」「運動不足」と見過ごされがちです。喫煙歴がある方で上記の症状が気になる場合は、早めの受診をおすすめします。
COPD・肺気腫の原因
COPDの最大の原因は喫煙です。タバコの煙に含まれる有害物質が肺に炎症を引き起こし、長期間にわたり肺の組織を破壊します。喫煙者の約20%がCOPDを発症すると言われています。
その他の原因としては、以下のようなものがあります。
- 受動喫煙(周囲の人のタバコの煙)
- 粉塵や化学物質への曝露
- 大気汚染
- 遺伝的要因 など
COPD・肺気腫の進行と予防

一度破壊された肺の組織を、元に戻すことはできないとされています。そのためCOPDを早く発見して、適切な治療を開始することが大切です。早期発見・早期治療により、症状の改善や進行の抑制が可能になります。
そして、予防で最も重要なのは禁煙です。喫煙習慣のある方は、禁煙に取り組むことでCOPDの発症リスクを低減させることがでるようになります。当院では禁煙外来も行っておりますので、禁煙をお考えの方はぜひご相談ください。
COPD・肺気腫の検査
COPDの診断には、主に以下の検査を行います。
- 問診:喫煙歴や症状について詳しくおうかがいし、総合的に評価します
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー):肺の機能を測定して、呼吸障害の程度を確認します
- 胸部レントゲン検査:肺の構造的な変化や他の肺疾患の有無を調べます
- 血液検査:体内の炎症状態や酸素・二酸化炭素濃度を評価します など
特に呼吸機能検査は、COPDの診断に不可欠です。この検査では、肺からどれだけ早く息を吐き出せるかを測定して、気道の狭窄の程度を評価します。
COPD・肺気腫の治療
COPDの治療目標は、症状の軽減、QOL(生活の質)の向上、疾患の進行抑制などです。主な治療方法は以下の通りです。
禁煙
COPDの治療の基本は禁煙です。喫煙を続けると肺の機能はさらに低下し続けます。禁煙により症状の悪化を抑えて、肺機能の低下速度を遅らせることができます。
薬物療法
気管支拡張薬を中心とした吸入薬を用いて、気道を広げて呼吸を楽にします。症状や重症度に応じて、適切な薬剤を選択します。
- 長時間作用型β2刺激薬:気管支を拡張させてCOPDの症状を改善します
- 短時間作用型β2刺激薬:長時間作用型と同様に気管支を拡張させますが、効果が早く現れます。発作時の咳や息切れ、呼吸困難などの症状を抑えます
- 吸入ステロイド薬:気道の炎症を抑えます など
呼吸リハビリテーション
呼吸の仕方や日常生活での動作の工夫を学ぶことで、息切れを軽減して、活動性を向上させます。
酸素療法
重症の場合、体内の酸素不足を補うために酸素吸入を行います。在宅でも酸素療法を継続できるように、適切な指導と支援を行います。
COPD・肺気腫と上手に付き合うために
COPDは慢性疾患ですが、適切な治療と管理により、症状をコントロールして快適な生活を送ることは可能です。
- 定期的な通院で治療の効果を確認
- 処方された薬剤の正しい使用
- バランスのとれた食事と適度な運動
- 感染症予防(インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種など)
- ストレス管理と十分な休息 など
当院では、患者様がCOPDと上手に付き合いながらQOLを維持・向上できるようにサポートいたします。少しでも気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。