高山病とは?

高山病は、標高の高い場所に急に移動した時に起こる体調不良の総称です。空気中の酸素濃度が低い高地環境に体が適応できないことが原因で発症します。一般的に標高2,000m以上で起こりやすくなりますが、個人差も大きいです。登山だけではなく、高地にある都市や観光地への旅行でも発症する可能性があります。
大阪市西区 四ツ橋・西大橋・心斎橋にある四ツ橋診療所では、日本旅行医学会認定医が高山病の予防と治療に関する相談に応じています。
高山病の主な症状
- 頭痛
- 吐き気・嘔吐
- めまい
- 疲労感・倦怠感
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 息切れ
- 動悸
- むくみ(特に顔や手) など
「日本旅行医学会認定医」が診療
四ツ橋診療所には日本旅行医学会認定医が在籍しています。この資格は、旅行中の健康管理や疾病予防に関する専門的な知識を持つ医師に与えられます。高山病の予防や治療はもちろん、国内外の旅行に関連する様々な健康問題に対応できます。
最近では海外の高山に登る方も増えており、特に春休みや夏休みには学生さんの相談も多くなっています。国内の高い山でも高山病は起こり得ますので、登山の際はぜひご相談ください。
高山病の種類
高山病には主に3つの種類があります。
山酔い(急性高山病:AMS)
最も一般的で軽度の高山病です。頭痛、吐き気、めまいなどの症状が現れます。通常、高度に到達してから6~12時間後に症状が現れ、1~3日で改善することが多いです。
高地脳浮腫(HACE)
脳が水分で膨張することで発症する重篤な状態です。激しい頭痛、歩行困難、意識障害などの症状が現れます。迅速な対応が必要です。
高地肺水腫(HAPE)
肺に水分が溜まることで発症する命に関わる重篤な状態です。息切れ、咳、胸部圧迫感などの症状が現れます。緊急の治療が必要です。
高山病の原因
高山病の主な原因とリスク要因には以下のようなものがあります。
- 急激な高度上昇:体が低酸素状態に適応する時間がないことが最大の原因です
- 個人の体質:呼吸器系や心血管系の持病がある人、片頭痛持ちの人は注意が必要です
- 過去の高山病経験:過去に高山病を経験した人は再発のリスクが高まります
- 身体状態:疲労、脱水、睡眠不足は発症リスクを高めます
- 年齢:若年者や高齢者は注意が必要です。特に子供は症状を適切に表現できないことがあります
- 過度な運動:高地での過度な運動は発症リスクを高めます など
高山病の予防
予防薬(保険適用外)

高山病の予防には、ダイアモックス(アセタゾラミド)が効果的です。これは炭酸脱水酵素阻害薬で、体内の酸塩基平衡を調整し、高地での呼吸を促進する効果があります。通常、高地到着の24~48時間前から服用を開始し、高地滞在中も継続します。
副作用・注意点
ダイアモックスには手足の痺れや味覚異常などの副作用がある場合もあるため、事前に医師と相談の上、適切な用法・用量を決定することが重要です。また、スルファ剤アレルギーの方は使用できないため注意が必要です。
その他の予防方法
段階的な高度順応
ゆっくりと高度を上げ、体を環境に慣れさせることが重要です。1日の上昇高度を300~500m以内に抑えて、定期的に休息日を設けましょう。
十分な水分摂取
高地では脱水しやすいため、こまめな水分補給が必要です。アルコールやカフェインの過剰摂取は避けましょう。
適切な食事と休息
高カロリーで消化しやすい食事を心がけ、十分な休息をとりましょう。
体調管理
出発前から十分な睡眠と栄養をとり、体調を整えておくことが大切です。